日本フィルハーモニー交響楽団 第708回東京定期演奏会

 2019年3月16日、東京に行く機会があったのでサントリーホールで演奏会を聴こうと思ったら丁度、日フィルの定演があったので聴きに行くことにした。以前はサントリーホールでの演奏会なんて興味がなかった。それが聴きたくなったのはKitara(あるいはhitaru)での札響の演奏が充実しているため他のコンサートホールの音も聴いてみたくなったからだろう。特に日フィルが聴きたかったというわけではなく日程の都合で日フィルの定演と重なっただけである。

 サントリーホールはビルの谷間にあって表通りからは全く見えない。ビルの谷間を抜けてようやく入り口に辿り着く。そのため宿泊場所はサントリーホールに近い場所にした。歩道橋から高速道路の下を潜り、歩いていくとカラヤン広場があり物産展を開催していた。開場前はホールの外に並ぶので広場には透明なプラスチックの覆いがある。公園内にあり、ホールに入ると広いエントランスがあるKitaraとは雰囲気がかなり違う。ステージやホール全体の広さもKitaraよりは少し狭いようだ。

 指揮はアレクサンダー・リープライヒで曲目はロッシーニ歌劇「泥棒かささぎ」序曲、ルトスワフスキ交響曲第3番、後半はベートーヴェン交響曲第8番だった。座席は第1ヴァイオリンの最後列から5列目で向かって左端だった。音が全体的に遠く聴こえる。弦楽器群の高域と低域がカットされているように聴こえる。管楽器も透明感を持って響いてこない。おそらくこれがKitaraだったら管楽器は遠く聴こえても目の前のヴァイオリンはガンガン耳に入ってくる。チェロやコントラバスも低音がステージを這うように聴こえてくる。

 あまりに音が遠いので演奏もいいのか悪いのかよくわからない感じだった。ただ帰るときに「今までベートーヴェン交響曲第8番はつまらない曲だと思っていたが、今日の演奏を聴いてこんなに面白いとは思わなかった」と話している人がいた。

 日フィルもサントリーホールも初めて聴くのでホールの音響なのか演奏の所為なのかはわからない。単に私が聴いた席が悪かっただけなのかもしれない。これからも機会を見つけて他のコンサートホールの音も聴くようにしてみたい。