2019北海道オーディオショウ

◎10月11日(金)

◯CSポート 

 カートリッジ マイソニックラボ ウルトラ・エミメントBC、パワーアンプGM70PA、アナログプレーヤー試作品、スピーカー ソナスファベール オリンピカⅡ

富山県にあるメーカーで真空管アンプとレコードプレーヤーを製作している。

 真空管は無帰還回路、入出力にトランス使用、インピーダンスを合わせるためMOSFET使用、1050Vの電圧を得るためスイッチングレギュレーターで電圧を稼ぐ。

 パワーアンプ真空管は845よりも一回り大きいGM70を使用。三極管。

 どこかに動作不良の箇所があるのか音が歪み気味。パワーが少し足りない。SNがいい。

 ADプレーヤーはプラッターを空気圧で浮かせている。

 

◯エレクトリ

 SACDプレーヤー メトロノーム AQWO、プリアンプ マッキントッシュC53、パワーアンプ マッキントッシュMC611、スピーカー マジコA1、M2。

 最初はA1で聴く。

 ギターがやや金属的、音は鮮明。

 スピーカーをM2に変更してもう一度グレングールドを聴く。

 A1より低音が増して音が伸びやかになる。

  • ジェニファーヴォーンズ  

ここでSACDのノイズが出なくなり再びかける

M2はカーボンの筐体にフロントバッフルで蓋をしている。

 ADプレーヤーはマッキントッシュMT-2 マッキントッシュもついにADプレーヤーを発売した。

アクシス

スピーカー ファインオーディオF1.10。ファインオーディオはタンノイから派生したメーカー。CDはMSBのリファレンストランスポートとDAコンバーター。プリアンプはとパワーアンプAyre(エアー)のKX-R TWENTYとMX-R TWENTY。

 

◯TAD

スピーカーR1TX、プリアンプC600、パワーアンプM700S、SACDプレーヤー D600。

 元々プロ部門でもモニタースピーカーを出していた。民生の高級部門のエクスクルーシブにもユニットを出していた。

 R1TXは改良というよりはより深化させていくというテーマで取り組んだ。前のモデルはオーディオ評論家の三浦孝仁氏、傳(フウ)氏が使用している。

 ローレベルのリニアリティ、サウンドステージを大きいスピーカーでも出したい。上部の形状を変えた。

 とてもバランスが取れて見通しがいい。ボイスコイルを刷新した。ウーファーストロークを大きくし、かつリニアリティを増す。

  • 女性ヴォーカル 

 パワーアンプも電源を強化している。

 ベースも柔らかくはっきりしている。

  • 女性ヴォーカル

 

◎10月12日(土)

◯スペック 講師:オーディオ評論家 小原 由夫氏

モノラルパワーアンプ RPA-MG1、ボリュームコントローラー H-VC1000、スピーカー ソナスファベール イル・クレモネーゼSACDプレーヤー エソテリックグランディオーソ K-01

  • ジェニファーヴォーンズ トゥモローナイト

スペックはオーディオを楽器と捉え、リアルサウンド。音ではなく音楽を追究。スピーカーからの逆起電力を防ぐアクセサリーも使用。

 Dクラスアンプとはスイッチングアンプ。高効率、発熱が少ない。300W、ディスクリート

パワーアンプにはナチュラルとリッチがあり、ナチュラルはマイカコンデンサー、リッチはオイルコンデンサーを通している。

  • 情家 みえ エトレーヌ(レコード)

アナログプレーヤーGMP-70、トーンアーム イケダIT-407、カートリッジ オルトフォンMQ-30S

アナログプレーヤーは砲金ターンテーブル。スペックの製品はスイッチを心臓と反対側の右側に付けている。スイッチは一度上に挙げてから動かすようにしている。

 

◯デノン

CDプレーヤー DCD-SX1LTD、プリメインアンプ PMA-SX1LTD、スピーカー B&W 802D

  • はげ山の一夜(SX1)
  • 井上陽水 リバーサイドホテル(SX1)

ここでSX1LTDに交換。より深みが増す。「ヴィヴィッド&スペーシャス」を狙った

再び●はげ山の一夜 SX1よりも低音がしっかり出る。

 通常、製品の開発期間は1年から1年半だが、SX1LTDは4年かかった。

  • また歩き出す 女性ヴォーカル

 天板に零戦にも使われた超々ジュラルミンを使用している

 

マランツ

 ADプレーヤー プロジェクト(オーストリア) エクステンション9、12RS、アンプ プリメインPM10S1をリンクさせてバイアンプ駆動。スピーカー ダリ エピコン6MR

 ADプレーヤーのエクステンションには日本には輸入されていないオルトフォンのダイナミックバランスのアームを取り付けている。シャシーはMDFで共振を抑えやすい。

  • ヘルゲリエントリオ テイクファイブ

 ADプレーヤーを9から12に切り替え。歯切れが良くなる。12インチアームならではの音がある。

 

◯太陽インターナショナル

 ADプレーヤー ブリンクマン バルドパフォーマンス(ダイレクトドライブ)、フォノアンプ ジェフローランド コンダクター、プリアンプ ジェフローランド コーラス/PSU、パワーアンプ ジェフローランド モデル535(モノラル)、モデル625(ステレオ)、スピーカー アヴァロン PM2、PM4。

最初のスピーカーはPM2、パワーアンプは535

スピーカーをPM4に交換。トゥイーターはダイヤモンド振動板。パワーアンプも625に変更。音が余裕を持って鳴っている感じがする。

 アヴァロンはMDFのエンクロージャー。メーカーも代理店には詳しい説明はしないので秘密が多い。

 

◯フェーズメーション

 MCカートリッジ PP-2000、MCトランス T-2000、フォノアンプ EA-350、EA-1000、コントロールアンプ CA-1000、パッシブアッテネーター CM-2000、モノラルパワーアンプ MA-1500、スピーカー アヴァロン PM-1

 クオリティがアップした。

  • マンハッタンジャズ

 スピーカーの外側まで音場が広がる

  • カンターテドミノ(通称:白盤 ファーストプレスをEA-1000のみで聴く)
  • カンターテドミノ(T-2000+EA-1000)

 空間表現が違う。ノイズに埋もれそうな音を拾う

 フェーズメーションのアンプはNFBをかけない。

 CA-1000からCM-2000に変更。パッシブアッテネーターとはアンプのように増幅はしないが入力インピーダンスを高くし出力インピーダンスを低くするという機能を持つ。

 音はやや、やせ気味だが音像はくっきりする。

 CM-2000はT-2000の技術を応用している

 

◯ナスペック

 ADプレーヤー ロクサン ザクシーズ20、CDプレーヤー ロクサン ブラックCDP、プリメインアンプ ロクサン ブラックINT、フォノアンプ ロクサン カスピアンRPP、スピーカー モニターオーディオ ゴールド200-5G、クリーン電源 アイソテック シグマス

 アームの軸受けはピンポイント。センターキャップは外れる。カートリッジはゴールドリング。

 アイソテックの電源クリーナーは高周波ノイズを除去する。音が落ち着くという効果がある。

 ロクサンのADプレーヤーはハウリングに強そう。

 

◯リン

 ネットワークプレーヤー セレクトDSM-KA、ADプレーヤー アキュレートLP12SE、フォノイコライザー ユーリカ2、パワーアンプ クライマックスTWIN、スピーカー アキュバリック-P

 リンは73年に英国で設立。2000年に王室御用達。クライマックスはアルミ削り出し。

  • メロディー・ガルドー ベイビーアイムフール
  • ちあきなおみ 黄昏のビギン

 スタンダードDACとカタリストの比較

 レコードに切り替え

  • 女性ヴォーカル

 レコードの方が音はいい

 

◯フューレンコーディネート

 ADプレーヤー エリプソンオメガ100カーボン、プリアンプ オクターブ HP700、パワーアンプ オクターブ RE320、プリメインアンプ オゥヴィック U150、スピーカー ピエガ Coax711

  • ギターとパーカッションの曲(レコード)

 オクターブの真空管セパレートアンプ、ピエガのスピーカーはリボンの同軸とアルミのコーン。キャビネットはアルミでテンションをかけて固定。

 オクターブはトランスが自社製。PMZコアのトランスでEIコアより効率が良い。

  • 菅野沖彦Vol1より マクベス序曲
  • 黒人ヴォーカル 

 オクターブの真空管セパレートアンプからオゥヴィックのプリメインアンプに切り替え

 オゥヴィックはDクラスアンプ

 安定感は素晴らしい。高域が少しシャリシャリしているのが気になる。

 

◎10月13日(日)

◯アキュフェーズ(A級アンプとAB級アンプの聴き比べ)

 CDプレーヤー DP-750、プリアンプ C-2450、パワーアンプ A-48(A級)、P-4500(AB級)、スピーカー JBL D67000エベレスト

 最初はP-4500で試聴

  • トニーベネットとダイアナクラール スワンダフル

 A級は電流を流しっ放しにする。AB級は大きく増幅するときに電流を流す。

 雄大で伸びやかだが少々大雑把

 A-48に変更。機械式リレーを半導体リレーに替えた。

  • エスタディワンスモア SACD ニッキ・パロット

 A-46からA-47に換えた時にダンピングファクターを上げた。

 A-48はICを使わないディスクリート。電圧を自由に設定できる。

 最初はP-4500、次にA-48

 A級はしっとりとした感じ。AB級はパワフル。A級が良いという人が多かった。

 

◯ハーマンインターナショナル

 ADプレーヤー ML №515、カートリッジ オルトフォン カデンツァレッド、プリメインアンプ ML №5805、プリアンプ ML №523、パワーアンプ ML №536、スピーカー JBL L100、D67000

 最初はL100と№5805の組み合わせ。L100は4312Gよりも磁気を強化。チタントゥイーター。

 パラゴンをデザインした人がL100をデザインした。

 ドラムもはっきりしている。奥行き感はあまりない

 スピーカーをD67000に変更。D67000はコンプレッションドライバーが新しくなった。4重リンクから5重リンクにドライバーを変更した。

 アンプも№523と№536に変更。

  • サイドバイサイド セント・トーマス(菅野録音)
  • スターウォーズ ロス・フィル メータ

 D67000は音場が広がるタイプのスピーカーではない。

 

◯オルトフォン

 カートリッジ オルトフォン MCAnnaダイヤモンド、トーンアーム オルトフォン AD-212S、ADプレーヤー アコースティックソリッド ロイヤル、フォノアンプ オルトフォン EPA-555、プリアンプ ML №523、パワーアンプ ML №536、スピーカー JBL D67000

 MCAnnaダイヤモンドはカンチレバーをダイヤモンドの単結晶から削り出している。

 ボディはチタニウム。レーザーで生計すると気泡が入りそれが音に良い。空芯コイルなので磁力線を集める特殊金属を使用。

 アナログブームにより昇圧機構が必要ないMMカートリッジは世界的に需要が高い。

 

ラックスマン

 カートリッジ フェーズメーション PP-500、ADプレーヤー PD-171A、CDプレーヤー D-08u、プリメインアンプ L-509X、スピーカー フォーカル ソプラNo2、クリーン電源 ES-1200

 バランスが良い。音は割と好み。

 

◯エソテリック

 カートリッジ ヴァンデンハル クリムゾン、ADプレーヤー VPI プライムスカウト、フォノアンプ E-02、SACDプレーヤー グランディオーソ K1X、クロックジェネレーター グランディオーソ G1、プリアンプ グランディオーソ C1、モノラルパワーアンプ グランディオーソ M1、スピーカー タンノイ カンタベリーGR

 VPIのアームはピンポイント(ユニピポット)。スピンドルはプラッターの近くにある。ゴムはプラッターの真ん中に位置するようにしている。

 グランディオーソK1XはディスクリートDAC。ICと違って自分たちで回路が組め、音作りができる。低域の解像度が高い。

 K1Xはモーターを下にして低重心下を図る。

 TADのスピーカーが一番良いかと思ったが、タンノイも結構いい。

 

テクニクス(上松さん)

 カートリッジ フェーズメーション PP-2000、ADプレーヤー SL-1000R、SL-1500、ネットワーク/SACDプレーヤー SL-G700、管球式フォノアンプ フェーズメーション EA-1000、パワーアンプ SE-R1、スピーカー SB-R1

 SL-1000の前身、SL-10は1970年に第1号が発売。プラッターにタングステンで防振。プラッターの重量は8㎏(SL-10MkⅢは10㎏)だが慣性モーメントはMkⅢと同じ。

 安定感があっていい

 SL-1500Cはオルトフォン2Mレッドのカートリッジが付属、フォノアンプが内蔵。オートリフト付き、ケーブル着脱式、10万円

 ソースをSL-G700に切り替え。

 かなり違う。雰囲気が一変

 

◯ステラ

 カートリッジ テクダス TDC01 T1、ターンテーブル テクダス エアフォースⅢ プレミアム、トーンアーム グラハム ファントムエリート、フォノアンプ コンステレーション ペルセウス、プリアンプ コンステレーション ヴァーゴⅢ、パワーアンプ コンステレーション ケンタウルⅡ、スピーカー ウィルソンオーディオ サシャドゥー、バッテリー電源 ストロームタンク カンタム

 ストロームタンクはバッテリー駆動でオーディオ専用電源にできる。ターンテーブルはレコードをプラッターに吸着し、そのプラッターを空気で浮かせる。

 

 

 令和元年(2019年)10月11日~13日に札幌コンベンションセンターで開催された北海道オーディオショウで、実際に試聴した機器と曲を聴きながら書いたメモ書きを文字にした。

 ◎が日付、◯がメーカーあるいは輸入代理店名、●が曲名。メモはしてあるものの改めて調べてみるとどんなアーティストの何という曲かわからないものも数曲あったがそれは省いている。

 ところどころ「音がきつい」というようなメモもあるが、たまたまそこで聴いた印象でしかなく使いこなしで改善できる範囲内だろう。どれも高級機か超高級機といっていい機器ばかりなので音は一級品だ。

 今年のオーディオ市場の傾向は高級プリメインアンプに新製品が多かったことと、各ブースでアナログレコードが必ず試聴されていたことだった。

 高級プリメインは3年ぐらい前にエソテリックが60万、70万、100万、200万円台という価格帯に一気に製品を出した頃から始まった。60万70万のプリメインアンプは各社が出していたので珍しくないが、100万、200万となるとセパレートアンプと競合するので各メーカーは出していなかった。その価格帯にエソテリックが高級プリメインを投入してきたのである。翌年にはマッキントッシュ、ラックス、マランツが新製品を出し、今年はマークレビンソン、スペック、アキュフェーズが出してきて、とても面白くなってきた。

 アナログプレーヤーは、30年ぐらい前にはもうなくなるものと思っていた。市場からはほとんど姿を消し、残っていたのは一部の高級な海外製品などに限られていた。

6年前にかつてマイクロという糸ドライブのターンテーブルを作っていたメーカーの方が新たにテクダスというブランドを起ち上げ、超高級品アナログプレーヤーを出した。

5年前にはラックスが新製品を出してからマーケットが徐々に復活してきた。昨年はテクニクスが往年の名器SL-10の後継機SL-1000を復活させ、今年はヤマハがこれも往年の名器GT-2000の後継機GT-5000を復活させた。マークレビンソン、マッキントッシュも新しくアナログプレーヤーの新製品を出した。スペックがEAT、D&Mがプロジェクト、エソテリックがVPI、ナスペックがロクサンという海外メーカーのアナログプレーヤーを取り扱い始めた。

手頃な値段のアナログプレーヤーはデノンぐらいしかなかったが、ティアックテクニクスヤマハソニーが10万以下のアナログプレーヤーを出して市場の拡大に貢献している。

トーンアームではオルトフォン、SMEに加えてグランツ、サエク、イケダが新たに高級アームを出してきた。

カートリッジでもオーディオテクニカ、デノン、オルトフォンといった老舗に加えてフェーズメーション、イケダ、トップウィング、プラタナスという新しいメーカーも参入してきた。

アナログプレーヤーの復活は世界的な傾向らしい。手頃な値段の扱いやすいカートリッジは品薄状態だとメーカーの方が話していた。

アナログブームはまだしばらく続きそうだ。