京都市交響楽団 兵庫公演

 令和3年(2021年)4月18日、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで京都市交響楽団兵庫公演を聴きに行ってきた。

 指揮は常任指揮者の広上淳一、ヴァイオリン・ソロは金川真弓。プログラムはメンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲、マーラー交響曲第5番だった。

 広上さんは札響でも何度も聴いているし、ヴァイオリンの金川さんは3月に「音楽日和~JAF会員のための音楽会」に札響との協演でシベリウス/ヴァイオリン協奏曲を聴いている。

 

 兵庫県立芸術文化センター兵庫県を代表するホールだが神戸ではなく西宮にある。開館は2005年10月。神戸三宮から阪急電車に乗り15分ほどで西宮北口に到着。駅からペデストリアンデッキという連絡通路を通って直接ホールに行ける。兵庫県立芸術文化センターには大ホール、中ホール、小ホールがある。大ホール内部はホームページで見られるように木材を贅沢に奢った内装になっている。ホール内部だけではなく、ホワイエやトイレの内装も木材が使用されている。4面舞台を備えオーケストラ演奏の時は反射板が設置される。札幌のhitaruと客席数などほぼ似たようなホールである。

 最初、ホール内に入ったとき、5階席まであるのかと思ったが1階席の後ろと同じ位置にある両袖の席が2階席ではなく1階席になるので4階席ということになるようだ。

座席は1階席の後ろで2階席の庇が少し被るが新・hitaru定期のシートと同じ様なところだった。

 

 1曲目はメンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲。金川さんは3月に札響との協演で忘れがたいシベリウス/ヴァイオリン協奏曲を聴いている。線はやや細いがテクニックが確かで透明感がある響きという印象だったのでメンデルスゾーンも期待していた。

 ソロが始まると少し音が遠い感じがしたが、ヴァイオリンは明瞭に聞こえる。オーケストラの各セクション、ヴァイオリン、低弦、木管金管、打楽器なども各楽器がそれぞれ明瞭に聴き取れる。音が遠いので細かい抑揚まではわからなかった。

 オーケストラの弦楽器の音色は統一されている感じで、昨年横浜みなとみらいで聴いた読響の音色に近い。ただ音が遠いことと高域が伸びていないようにも感じるので管楽器に少しヴァイオリン群が消されたり、ソロで次はこう来るだろうというところで聞こえなかったりするときもあった。

 アンコールはJ.S.バッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005より
第3楽章ラルゴだった。

 指揮の広上さんは少しおどけた指揮振りをすることがあるが、出てくる音は正統派という印象がある。マーラーでも同じだった。冒頭の金管からトランペットが主題を奏で一気に聴く者を演奏に引き込んでいく。演奏はとてもよかった。しかし、ここでもヴァイオリン群の高域が伸びていないので管楽器が出てくる度にヴァイオリン群が聴き取れなくなり音に厚みが出てこない。

 マーラーの5番は昨年、11月札響定期をhitaruで下野竜也の指揮で聴いている。その時もヴァイオリンの高域が伸びていなかったので第4楽章が物足りないと感想を書いた。第4楽章がどう響くか期待したが今回も物足りなかった。

 アンコールはR.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」から 月光の音楽だった。

 

 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールはあるサイトで関西一というほどとても評判がよかったので期待していた。各楽器が明瞭に聞こえるのはよかったが、音が遠く楽器の生々しさが出てこなかったり、高域があまり伸びなかったりしたところが残念だった。