令和3年(2021年)4月25日、第636回札幌交響楽団定期演奏会(hitaru代替公演)を聴きに行ってきた。
プログラムはフォーレ:組曲「ペレアスとメリザンド」、バルトーク:「ピアノ協奏曲第3番」、ストラヴィンスキー:交響曲第1番だった。
当初予定されていた指揮者のマティアス・バーメルトとピアニストのデジュー・ラーンキは出入国制限のため入国できず、指揮は秋山和慶、ピアノは小菅優に変更になった。編成は14型。
3曲ともレコードがなかったので予め4月初めにレコードを買って予習しておいたが、ストラヴィンスキーの交響曲はハ長調の交響曲と間違えて購入していた。
1曲目は「ペレアスとメリザンド」。有名なシシリエンヌが3曲目に入っている。繊細な弦と透き通った管の音色がこの曲にふさわしい雰囲気を醸し出していた。
2曲目は「ピアノ協奏曲第3番」。今年度の定期演奏会のプログラムは「愛と死」がテーマとなっている。このピアノ協奏曲はバルトークの最後の曲で最後の17小節がスケッチとして残り、弟子が完成させた。夫人に捧げられた曲でもある。
一応レコードで予習はしたが、ピアノの単音が多い曲という印象があり、そのピアノのタッチが明快でオーケストラに埋もれることがない。ティンパニとピアノが主題を奏でるところもバルトークらしかった。hitaruの音響が良くなっている証だろう。
アンコールはバルトーク/10のやさしいピアノ小品第5曲<セーケイ人たちとの夕べ>だった。
3曲目は「交響曲第1番」。予習用のレコードとして買ったのがハ長調の方だった。何度か聴いて臨んだのだけれど最初に聴いたときにこれは違う曲だと気付いた。ストラヴィンスキーがリムスキー=コルサコフのもとで作曲を学んでいた頃の曲でプログラムにはグラズノフ、タネーエフ、チャイコフスキーの影響があると書かれている。全くの初見なので次は何が出てくるだろうとわくわくしながら聴いていた。ストラヴィンスキーの曲はバレエ音楽が有名でそちらは頻繁に演奏されるが、交響曲ももっと演奏されてもいいのではないかと思った。