ディスクのこと 2(サン=サーンス交響曲第3番 オルガン)

 サン=サーンス交響曲第3番「オルガン」について書いてみたい。演奏はルイ・フレモー指揮バーミンガム交響楽団、録音場所はバーミンガム大学グレートホールで1972年の録音。この盤を取り上げることにしたのはステレオサウンドから出ている「クラシック名録音106究極ガイド」に掲載されているからで、演奏ではミュンシュ指揮ボストン響に劣るが、オルガンを聴くにはこの盤が一番いいということでこれを取り上げる。

 演奏は総じて可もなく不可もなくという感じだが、第1楽章後半に2本のスピーカーの左奥から拡がりながらズーーンという響きが漂ってくる。他の盤ではオルガンは聞こえてくることは聞こえてくるが、ここまでオルガンの響きが拡がってくることがない。

 第2楽章後半のオルガンの主和音も厚く鳴り響く。後半はオーケストラも出てくるのでオルガンが聴き取りにくくなる。チューバとオルガンの区別が付くかどうかは、オーディオシステムを判断する指標になるかもしれない。

 

 ジャケットにパイプオルガンの写真があるが、今の大ホールのパイプオルガンを見慣れた目で見るとそれほど大きくは見えないし、「究極ガイド」には天井が高いと書かれているが、それも大ホールの天井から比べると特に高いとも思えない。パイプオルガンが設置された響きの良いホールで録音したらもっと音がいいディスクが出来そうな気もする。