オーディオのこと 1(オーディオ機器の選び方)

 スピーカーの新規購入についてのツイートを読み、自分なりにこれがいいのではとコメントしたが、書いたものを後で読み返してみると、くどい文章になってしまい少々反省している。自分自身がオーディオで、多額のお金と時間を無駄にするという数多の失敗を重ねているので、自分と同じような失敗をしないでほしいという思いがどうしても出てしまい、文章がくどくなってしまったようだ。これは親が子供に、ついあれこれと細かく小言を言うのと同じような気持ちなのかもしれない。言う方はあんたのためと思っているが、言われる方はうるさいとしか感じない、ということになりかねない。オーディオは決して安い買い物ではないので他人様へのアドバイスには責任を感じてしまう。

 今やいい音のオーディオ機器というのは値段が高くなっている。5万円、10万円、20万、50万と値段が上がるにつれ、はっきりと音も良くなっていく。

 70年代から80年代の初め頃までは古くて高い機器よりも新しく安い機器の方が音がいいということもないわけではなかった。しかし、今はオーディオ業界は成熟していて手間暇を掛けていい材料を使えば音が良くなることは知りつくされているといってもいい。そのため音の良し悪しも値段通りになっている。

 また以前は人気があるオーディオ評論家が「使いこなし」で10万円の機器で100万円の音を出す方法というような記事を盛んにオーディオ誌に掲載していた。例えばCDプレーヤーの天板にゴムを貼るとか、鉛のインゴットをスピーカーの上に置くなどといったものだった。私も学生の頃は随分と試したことがある。確かに音が変わることは変わるけど、アンプのトランスの容量が違う製品が「使いこなし」で同等になるということはあり得ないし、20㎝のウーファーの低音が38㎝のウーファーの低音になることはなかった。いい音のオーディオ機器というのは、いい材料の部品を使用し、精密で頑丈に造られていることが求められる。それは当然価格に正比例する。オーディオ機器の試聴会に行くと本当に値段通りというか価格差通りの音が出ることに感心させられるぐらいだ。

 誰でもいい音は聴きたいが、予算は限られている。そのため自分なりにある程度全体の青写真を描いておいた方がいい。試聴していい音の機器を選ぼうと思ったらあっという間に予算オーバーになる。

 数年前にこの青写真が完成したと思ったが、その後、新しい機種をいろいろと試聴しているうちに今使用している機器よりも音がいいことがわかり、数機種買い替えをした。なかなかこれで終わりということにはならないらしい。

 

 一度、オーディオの試聴会に生演奏を聴いたことがある札響のCDを持って行き、聴かせてもらったことがある。生演奏の記憶を思い出しながら聴くというのもオーディオ機器を判断するうえで参考になると思う。