オーディオ試聴会2(トライオード試聴会)

 

 昨年の2月以来約1年半振りとなるオーディオ試聴会を聴きに行ってきた。トライオードという埼玉県にある真空管アンプのメーカーである。使用機器は入口から

・CDプレーヤー TRV-CD6SE(税込み 308,000円)

・プリメインアンプ MUSASHI(税込み 638,000円)

・プリメインアンプ JUNONE 845S(税込み 968,000円)

・スピーカー B&W803D(税込み 1,870,000円×2)

 今回の試聴はトライオードの2つのプリメインアンプの比較試聴だった。MUSASHIは多極管KT150のプッシュプル回路で100Wと出力が大きい。それに対してJUNONE 845Sは三極管845のシングル回路で出力は22Wというアンプである。

 最初はMUSASHIからだが、因みにこのMUSASHIという名前は埼玉県の旧国名から取ったらしい。1曲目はデイヴ・グルーシンフュージョン、2曲目は女声ヴォーカルだった。フュージョンでは躍動感溢れる音、女声ヴォーカルは真ん中に定位しスピーカーの間で歌っているようだった。3曲目はサイトウ・キネン・オーケストラによるショスタコーヴィチ交響曲第5番第4楽章の冒頭だったが音量が小さめでもあり、それまでの生き生きとした再生音とは違い途端に冴えない音に感じてしまった。

 次に、プリアンプをJUNONE 845Sに交換して聴いた。こちらは三極管のシングル回路となる。MUSASHIと同じ3曲を聴いた。一般的にシングルとプッシュプルの違いは独奏曲、室内楽曲、リートなど小編成の細かなニュアンスの違いを楽しむならシングル、オーケストラやオペラ、合唱などDレンジが大きい大編成の曲ならプッシュプルの方がいい。以前にも違うメーカーのシングルアンプとプッシュプルアンプの音を聞き比べたことがあるが、結局、それぞれ苦手な方の、シングルで大編成の曲を聴くのとプッシュプルで小編成の曲を聴くのとではどちらが我慢できるかという比較になる。その時の結論はプッシュプルの小編成は我慢できるが、シングルの大編成は我慢できないということになった。

 トライオードの845SとMUSASHIではオーケストラがどちらも今ひとつだったのでシングルの845Sの長所が目立つ結果となった。値段の差もあるので総じて845Sの方が音がいいのは仕方がないことだったかもしれない。

 このまま845Sを聴くのかと思ったが、再びプリアンプがMUSASHIにもどり、CDプレーヤーの各機能の違いの比較になった。モーツァルトチェンバロのピアノトリオの真空管出力とトランジスタ出力の比較、ホフアンサンブルの曲でMQAのオンとオフの比較、反田恭平のリストのラ・カンパネラをハイレゾとDSD、クロック入りとクロックなしで比較した。結論は真空管、MQAオン、クロック入りがそれぞれよかった。