令和4年(2022年)11月12、13日、エソテリックの試聴会に行ってきた。場所は大阪屋6階の試聴室。12日はメーカーの方の説明があり、2時間。13日はフリー試聴なので聴きたいレコードを持って行った。
試聴会での使用機器は次の通り。
○エソテリック
・アナログターンテーブル グランディオーソT1 定価:7,700,000円(税込)
・マスタークロックジエネレーター グランディオーソG1X 定価:2,200,000円(税込)
・プリアンプ グランディオーソC1X 定価:3,850,000円(税込)
・モノーラルパワーアンプ グランディオーソM1X 定価:2,750,000円×2(税込)
・フルバランス・フォノアンプ E-02 定価:715,000円(税込)
○MCカートリッジ フェーズメーションPP-2000 定価:605,000円(税込)
○スピーカー B&W 801D4 定価:2,607,000円×2(税込)
説明はエソテリック マーケティング部長の町田さん。
5年前からレコードプレーヤーの開発をしていた。35周年と重なったのは偶然。マグネドライブ方式(特許取得)をVPIのプレーヤーを改造してマグネドライブにしたところ結果がよかったのでこの方式にした。4年前に決断。
・マイルス・デイビス アラウンド・ザ・ワールドからタイムアフタータイム
静粛の中から音楽が浮かび上がる。Dレンジも広い。
ベルトドライブよりもマグネドライブの方が圧倒的にDレンジ、Fレンジ、奥行き、SNが良かった。社長が「今まで聴いたことがなく、他社に優位性があるなら商品化すべき」と言って製品化されることになった。
磁力で軟鉄のターンテーブルを磁性させて回している。
・今井美樹 ダイアローグからやさしさに包まれたなら(SSレコード45回転)
モーターはサーボ技術ではなくギヤ比だけで回転をコントロールしている。モーターのスピードを管理するためのサイン波を出すためにクロックを接続できる。
クロックオフとオンの聴き比べ
オンの方がピアノの余韻がきれいに響く感じがした。質感も少しいい。
・エヴァ・キャシディー ナイト・バードからオーバー・ザ・レインボー
96年、癌により33歳で亡くなる。2000年に映画「ラブアクチュアリー」がヒットして有名になる。澄んだ声。
・エヴァ・キャシディー ナイト・バード(娼婦の意)
モーターとターンテーブルの距離を近づけたり離したりして駆動トルクを変えられる。
駆動トルク弱と強の比較試聴。弱は拡がりがあり、強(標準)は音像が明確。
とてもよく聞こえる。
足は、バネと樹脂のチューブによるハイブリットで振動を遮断している。
筐体は三段構造で上段のアルミベースはアームと繋がり、下段のアルミベースはターンテーブルと足につながっている。真ん中に木を挟んでいる。
・ピンク・フロイド ダークサイド・オブ・ザ・ムーン
マルチ録音。左右に音が動く。パワーアンプの保護回路が働くというハプニング
ヴォーカルも鮮明。
○13日は自宅からレコードを持って行って試聴した。
・ワーグナー 楽劇「パルジファル」カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 シェリング(ヴァイオリン) ドラティ指揮
ロンドン交響楽団 仏フィリップス盤
・ドリーブ バレエ音楽「シルヴィア」 フィストラーリ指揮 ロンドン交響楽団
米マーキュリー盤
・シューベルト 歌曲「冬の旅」 バリトン:F=ディースカウ ピアノ:ムーア
独エレクトローラ盤
・「パルジファル」の前奏曲はSNもよく音の拡がり、楽器の質感も良かったが生々しさが少し足りなかった気もする。1幕の最後の合唱はハイエンドシステムにしては盛り上がりに欠けた。
・「ヴァイオリン協奏曲」ではヴァイオリンのソロは鮮明だが伴奏のオーケストラの音がやや物足りなかった。
・「シルヴィア」はマーキュリーのオーディオファイルレコード。1幕後半のホルンが遠くから響く箇所や弦のすばやく下降する様はとてもよかった。
・「冬の旅」はドイツ語の子音の発音がどのように聞こえるかに注目していた。不足しているという程ではないがハイエンドシステムなら息がかかるような生々しさも欲しい。
ハイエンドシステムなので評価は厳しめに書いた。不満に感じた部分はおそらくスピーカーのセッティングなど細かい調整で解決する部分もある。しかしできればタンノイなどの違うスピーカーで聴きたかった。プレーヤーそのものの潜在能力は十分に感じられたのでとても有意義な試聴会だった。