令和５年（２０２３年）４月２３日、第６５２回札幌交響楽団定期演奏会を聴きに行ってきた。
指揮は昨年から正指揮者に就任した川瀬賢太郎。ピアノ独奏はフィンランド出身のオリ・ムストネン。
プログラムは、次の通り。
・ムソルグスキー（ショスタコーヴィチ編）：歌劇「ホヴァンシチナ」前奏曲
¨モスクワ川の夜明け¨
・プロコフィエフ：ピアノ協奏曲第３番
１曲目は「モスクワ川の夜明け」。編成は１４-１２-１０-８-７。プログラムによると「悲劇と動乱に満ちた新時代の夜明け」とある。ゆったりとした中にも安らぎはなく不安が随所に感じられる曲だった。
２曲目は「ピアノ協奏曲第３番」。編成は１２-１０-８-６-５。コロナ禍で２度予定していた共演がようやく３度目になり実現した。一音一音がはっきりとした明晰なピアノタッチでこの曲に相応しかった。札響とも息が合っていた。
アンコールは、ムストネン／Sielulintu（Soul Bird）だった。
３曲目は「交響曲第２番」。編成は１４-１２-１０-８-７。プログラムによると「循環旋律を駆使した大規模な楽章構成、重厚なクライマックスの構築法、ロシア的な旋律美があいまって西欧とロシア２つの交響的伝統を見事に融合した名作」とある。
ラフマニノフは交響曲よりもピアノ協奏曲の方が有名であまり演奏される機会が少ないが今年は生誕１５０年ということから演奏される機会が多いようだ。この曲もとても聴き応えがあって随所に聞かせどころもありもっと演奏されてもいいと思う。
川瀬さんが札響の正指揮者になってから今までは「よそよそしさ」がありオーケストラを鳴らし切れていない感じがあったが今回はそれもなく音を引き出していた。今後に期待がもてる。
