Kitaraのバースデー ~札響with 安永徹 & 市野あゆみ~

 令和3年(2021年)7月4日「リニューアルオープン記念 Kitaraのバースデイ ~札響 with安永徹&市野あゆみ」を聴きに行ってきた。

 プログラムはモーツァルト:ピアノ協奏曲第27番、ヤナーチェク:弦楽のための組曲モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」だった。

指揮兼コンサートマスター安永徹、ピアノは市野あゆみ、演奏は札幌交響楽団。座席の人数制限はなかったが6~7割程度の入りだった。

 

 第1曲目は「ピアノ協奏曲第27番」。編成は10-8-7-6-4。モーツァルトの最後のピアノ協奏曲なので少し憂愁を帯びた演奏を耳にすることもあるが、市野さんがパンフレットの解説に「モーツァルトは最後の曲だとは思っていなかった」と書かれているように愉悦に満ちた雰囲気の演奏だった。市野さんは意外と言うか比較的明快にピアノを響かせる演奏だった。

 第2曲目は「弦楽のための組曲」。編成は同じ。6曲からなる組曲ヤナーチェクが23才の若いときの作品。チェロの独奏などもあり、色彩感に富んだ演奏だった。

 第3曲目は「交響曲第41番」。編成は同じ。安永さんの力強い弓の動きが印象的だった。それに釣られるように後列の奏者もいつになく力強く演奏しているように感じた。編成がヴィオラから下を増やしていたので中低域の厚みがあるバランスになっていた。第4楽章のフーガでもヴァイオリンに埋もれがちな他のセクションもよく聞こえていた。

また安永さんがコンマスに入ってより大きな編成の曲を聴いてみたい。

 

久しぶりにKitaraの音を聴いた。hitaruは直接音が多く各セクションがよく分離して聞こえる。それに対してKitaraではブレンドされた「甘美な」響きに感じた。やわらかくても埋もれる音がないことがKitaraの響きが良いとされる由縁だろう。