オーディオのこと 3(オーディオ選びで気をつけたいこと)

 前回のブログで、能率が低いスピーカーには電源があまり強力ではないアンプ(すなわち安いアンプ)を接続すると十分に電力が供給できないので組み合わせてはいけない。そのためにアンプとスピーカーはセットで考えなくてはならずそのための「青写真」を描いておくべきだ、と書いた。

 オーディオを本格的に揃えようとしたときに自分なりに「青写真」を描いていた。それは比較的鳴らしにくいスピーカーを、パワーがあるアンプで駆動するというものだった。それは当時、オーディオの試聴会で良く聴いていた国産の高級メーカーの製品だった。CDプレーヤー、プリアンプ、スピーカーと揃えてきて次はパワーアンプとなったときに、あるきっかけから、能率が高いスピーカーを出力が低いアンプで駆動するという「青写真」に変えた。それは「青写真」を変えてでも使いたいアンプがあったからだった。使用していた国産スピーカーもとくに能率が低いわけではないので、いいだろうと思ったが、それまで使用していたアンプよりも結果は良くなかった。お金をかけたのに音が良くならないことほどショックなことはない。それから5年ぐらいかけて、プリアンプもこのパワーアンプと同じメーカーの製品にして、スピーカーも能率が高く鳴らしやすい製品に替えた。

 それ以降、レコード蒐集にお金を注ぎ込んだりしたこともあってオーディオ機器の更新から離れた時期が長くあった。レコード蒐集が一段落したこともあり数年前にバイアンプにするためパワーアンプを1台追加した。バイアンプにすると、音が良くなったことの裏返しとして使用しているスピーカーの役不足感が出てきたため、また「青写真」を書き換えスピーカーを取り替えることにした。しかし、思い描いている次のスピーカーとなると車一台分ぐらいの金額になるのでじっくりと腰を据えて地道にお金を貯めようと思っていたが、思いがけず中古の良品が適価で出てきたので買替えることができた。それからもカートリッジ、レコードプレーヤー、CDプレーヤー、フォノイコライザーアンプ、トーンアームと買替えていった。いずれも数十万単位の製品を毎年のように取り替え、後はプリアンプというところまで来たと思っている。その間にもセッティングのアクセサリーやケーブル類の更新も行っていてこれも結構な金額になる。ケーブルも雑誌の評価ばかりではなく自分が使用している機器と合うかどうかが重要になる。客観的にはインピーダンス(交流抵抗)や容量がどうなっているかとか、プラグの構造なども気をつけた方がいい。最近もピンケーブルを全部取り替えたばかりだ。長年、オーディオを趣味にしているけどまだ終着駅が見えない。