第620回札幌交響楽団定期演奏会

6月21日と22日の2日続けて第620回札幌交響楽団定期演奏会を聴きに行ってきた。今回のプログラムはチャイコフスキー組曲第4番「モーツァルティアーナ」、プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第2番、サン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」、指揮はユベール・スダーン、ヴァイオリン独奏は竹澤恭子だった。

定期演奏会は金曜日の夜公演なのだが今回はなぜか出来心を起こして前日に22日のチケットも買った。3曲とも普段はほとんど聴くことがない曲だが、最近、オルガンのレコードを聴くことが多くオーケストラとオルガンの両方が聴けるサン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」がプログラムにあったからだろう。また、違う席で同じ曲を聴くと、どう違って聞こえるかにも興味があった。

特になじみがない曲なので細かくどこがどうということはあまりわからない。組曲第4番もモーツァルトの原曲もあまりよく知らない。レコードやCDだと知っている曲しか買うことがないが、生演奏だと知らない曲も黙って聞かなくてはならない。そうしないといつまでも同曲異演盤ばかりがレコード棚に並ぶことになってしまう。そうならないよう、生演奏には足を運んだ方がいい。演奏もところどころソロで聴かせる箇所があり、札響もそういうところは本当に良くなったと思う。

プロコのヴァイオリン協奏曲第2番は何も言うことがないような名演。ただ聞き入っていた。アンコールはバッハの無伴奏から21日はラルゴで22日は有名なガヴォットだった。

後半のサン=サーンス交響曲第3番にはミュンシュの名盤があるのでそれを数日前に聴いたが、比較的あっさりとした印象だった。定期のスダーンの演奏はより諧謔的というか、「動物の謝肉祭」を作曲したあのサン=サーンスだと思えるような演奏だった。聴いていて本当に楽しい演奏で、札響の演奏も指揮者の意図を汲んでそれによく応えていた。

 オルガンも、オルガンコンサートよりは音量を抑えめにしていて、オーケストラを搔き消すようには響かせずに、オーケストラとよく調和が取れていた。

   2日目は3階CC席だった。全体がよく見渡せると同時に各楽器の分離がいい。見た目は遠いが、音は良く通ってくる。ヴァイオリンのソロもよく聞こえていた。オルガン、音が小さくてもオーケストラの音にかき消されることなく低音がゆったりと響いてくる。この辺りは札幌コンサートホールKitaraの音響の良さだと思う。