オーディオのこと 37(オーディオ機器の買取りと下取り)

 新しくオーディオ機器を購入し、それまで使用していた機器を手放そうとすると下取りか買取りに出すことになる。下取りというのは車と同じで今まで使用していた機器を、新しく購入する機器の代金に充てるため、購入した店に買い取ってもらうこと。買取りは購入した店とは別なところに中古品として買い取ってもらうこと。普通は下取りの方が値引きも含まれるためか買取りよりも価格が高くなることが多い。

 オーディオ機器でも、レコードプレーヤー、トーンアーム、MCトランス、アンプ類、スピーカーはどこでも下取り買取りに出せるが、一般的なオーディオ店ではカートリッジ、ケーブル類、アクセサリー類は引き取ってもらえないこともある。しかし、ネットで買取りに力を入れている店を探すと壊れていても買い取ってくれるところは日本のどこかにはある。

 下取りはアンプとスピーカーしか経験がない。下取り価格もオーディオ機器のブランド力に係ることが多い。誰もが知っている名機なら下取り価格もそれなりに高いが、買ったときの値段が高くてもブランド力がないメーカーは買取り価格も低くなる。要は人気があるかどうかなのだが、これには雑誌も結構大きな影響力があると思っている。かつて有名な評論家が絶賛していたとか、あるいは使用していた機器とか、有名なオーディオ喫茶で使用しているという機器は人気があるのであまり値崩れはしない。

 数年前に20年ぐらい使用したタンノイのスピーカーを下取りに出したことがある。もう値段なんて付かないのではないかと思ったが、下取り価格は意外と高かった。店頭にしばらく置いてあるなあと思っていたら間もなく売れた。下取り品や買取り品はオーディオ店で店頭に並ばないこともある。こういう機器が出たら知らせてくださいという常連客がいて、そういう製品は店頭に並ぶ前に店員の方がその常連客に知らせそこで交渉が成立することもあるためだ。

 一般的なオーディオ店では引き取ってもらえないアクセサリー類などでもネットでいろいろと検索すると日本全国にはいろいろと買い取ってくれるところがある。カートリッジ、ケーブル類、アクセサリー類でもとりあえず値段が付くのでそういうところで買い取ってもらった方がいい。

 最近もカートリッジ、ヘッドシェル、MCトランス、ケーブル、アンプ、その他アクセサリー類を買取りに出した。一般的なオーディオ店では引き取ってくれないカートリッジでも完動品はそれなりに高く売れるし、カンチレバーが曲がって使用できないような製品でも数千円で売れることがある。ヘッドシェル、ケーブル、超音波式スタイラスクリーナー、トーンアーム調整器具も値段を付けて買い取ってもらった。

 カートリッジは、伝統がある名器よりも新しい製品の方が音がいいこと、ヘッドシェルとアーム調整器具はトーンアームを取替えたこと、ケーブルは硬すぎて使用しているアンプに合わなかったこと、MCトランスはトランス内蔵のフォノアンプに買替えたこと、アンプはアンプそのものを買替えたこと、でそれぞれ不要になった。

 

 難しいのは時代の変化で不要になったオーディオ機器かもしれない。10年ぐらい前にLD、LDプレーヤー、BS単体チューナー、CDプレーヤー、FMチューナーを買取りに出したことがある。LDプレーヤーやソフトは今でも買取りをしているのだろうか。単体のBSチューナーはBS放送が始まった頃、一時期売られていた。そのころのBSはアナログ放送でAモード、BモードがありBモードはCDよりも高スペックだった。そのため単体のBSチューナーで衛星放送を受信してCDプレーヤーのDAC入力に送り、CDの出力をビデオデッキの音声入力に入れて録音録画をするということをしていた。これもBSデジタル放送が始まると使用できなくなった。

 

 時代の変化で不要になる機器は映像機器に多い。LDが出た頃、VHDというのもあったが世の中に機器やディスクが残っているのだろうか。ビデオテープデッキはそろそろなくなるかもしれない。

 ハイビジョンになる前のプロジェクターはどうだろう。今は液晶プロジェクターだが、昔はRGBの三管式というがあった。個人でというよりは大画面を見せる施設でかなり普及していた記憶がある。新品で百万や2百万はしたと思うが、液晶のハイビジョンが出た頃には相当処分されただろう。

 音の方ではMD、Hi8(ハイエイト)、DATなどはどうなっているのだろう。Hi8やDATはそれほど普及しなかったが、MDはかなり普及していたはずだが、今でも需要はあるのだろうか。