札幌交響楽団 hitaruシリーズ新・定期演奏会 第8回

 令和4年(2022年)2月17日札幌文化芸術劇場hitaruで第8回新・定期演奏会を聴いてきた。

 プログラムはモーツァルト:ホルン協奏曲第4番、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」だった。1曲目に編成が大きい藤倉大:「グローリアス・クラウズ」が入っていたが楽団員にコロナ感染者が出たため演奏が叶わなかった。

 指揮は19年から札響指揮者に就任し3月末で任期が満了になる松本宗利音(シューリヒト)、ホルン独奏は札響首席ホルン奏者の山田圭祐。

 

 1曲目は「ホルン協奏曲」。プログラムによると、「狩の角笛」の音型が用いられた快活な作品、とある。オーケストラの中ではやわらかく豊かに拡がるホルンの音色を聴かせてくれる山田さんがソロではどんな音色を聴かせてくれるかと興味を持っていた。ソロでは力強く突き刺さるようなところもある音色を聴かせてくれていた。

 2曲目は「交響曲第3番 英雄」。速めのテンポでアタック音が鋭い。4年ぐらい前に小泉和裕さんの指揮で聴いた英雄はスケールが大きく外に広がる演奏だったが、それとは対照的に内側に凝縮されたような演奏だった。

 ホルン主席の山田さんは乗っていなかったので第3楽章のホルンのトリオはどうなるかとやや不安だったが、難なく乗り切った。

 おそらくまだこれからの指揮者だと思うが、この特徴を生かして羽ばたいて欲しい。