札幌交響楽団 hitaruシリーズ定期演奏会 第14回

 令和5年(2023年)8月3日札幌文化芸術劇場hitaruで第14回hitaruシリーズ定期演奏会を聴いてきた。指揮は、鈴木優人、ピアノ独奏は阪田知樹だった。

 プログラムは、

プーランクフランス組曲

グリーグ:ピアノ協奏曲

武満徹:夢の時

ストラヴィンスキー:「火の鳥組曲(1919年版)

 

 1曲目は「フランス組曲」。指揮の鈴木がチェンパロの弾き振りで木管金管と打楽器という編成の曲。エドアール・ブールデの戯曲「王妃マルゴ」ための劇付随音楽を組曲にまとめたものらしい。短い8曲に分れた曲を、それぞれ特徴を生かしながら演奏されていた。Hitaruではチェンバロを初めて聴くような気がするがはっきりと聞こえていた。

 2曲目は「ピアノ協奏曲」。編成は12-10-8-6-4だった。阪田さんのピアノがすばらしかった。一音一音がはっきりとしながらもとても叙情的に響いていた。聴いていて音楽の響きが沁みてくるような演奏だった。オーケストラもよくサポートしていた。

アンコールはガーシュウィン(アール・ワイルド編)/ファシネイティング・リズム だった。

 3曲目は「夢の時」。編成は14-12-10-8-7だった。この曲は1982年に岩城宏之の指揮で札響が初演しているらしい。プログラムによると「夢が、その細部において鮮明でありながら、思いがけない非現実的な全体を示すように、この作品では短いエピソードが、一見とりとめもなく浮遊するように連なる。リズムの微妙な増減、テンポの変化が、曲の浮遊感をいっそう強調する」と武満徹が説いているようだ。

 4曲目は「火の鳥」。編成は14-12-10-8-7だった。鈴木さんの指揮は以前、横浜みなとみらいホールで読響の「運命」を聴いたことがあるが、改めてブログを読み直すとあまりいい印象ではなかったようだ。今回の「火の鳥」はとてもよかった。hitaruの音響も建築当初よりも響きが良くなり各楽器の音が良く聞こえるようになった。「火の鳥」らしい迫力とスケールの大きさに加え、繊細さもとてもよく表現されていたと思う。