第633回札幌交響楽団定期演奏会

 令和2年(2020年)12月4日、第633回札幌交響楽団定期演奏会(hitaru代替公演)を聴きに行ってきた。 

 プログラムはブラームス ピアノ協奏曲第1番、ストラヴィンスキー バレエ音楽ペトルーシュカ」(1947年版) ピアノ独奏はゲルハルト・オピッツ、指揮者は広上淳一、編成は前半も後半も14型だった。

 

 1曲目はピアノ協奏曲第1番。オピッツは2015年12月定期でベートーヴェンピアノ協奏曲第4番を聴いている。明快なタッチと的確なテクニックに感心した記憶がある。今回も期待通りの演奏だった。一音一音がはっきりと聞こえてくるので聴き応えがある。札響は、出だしがセーブ気味だったが、ピアノが入ってきてから次第にエンジンがかかってきた感じだった。

 

 後半2曲目はペトルーシュカペトルーシュカの愉快さ、羨望、嫉妬、恨みなど様々な感情と場面の描写がよく描かれた演奏だった。出だしから管楽器群、打楽器群が全開。各楽器のソロのオンパレードのところがあるような曲でもあるので奏者はかなり緊張したかもしれないが、どれも見事な演奏だった。アンセルメ盤やC・ディヴィス盤があるが今日の演奏がディスクになったら愛聴盤の一つしてもいいぐらいだった。

 

 終演後、指揮者が管楽器奏者や打楽器奏者を一人一人、紹介していたのも肯ける。トランペットとファゴットの拍手が大きく、打楽器でも拍手が大きかった。

 

 前回の定期では正面後方に横一列に並んでいたが、今回、コントラバスは右奥に7台が並んでいた。以前はこの配置ではコントラバスはあまり聞こえてこなかったが、この日は良く聞こえていた。それに木管金管、打楽器群もそれぞれ良く聞こえていた。hitaruもオープンから2年が経ち、音が大分こなれてきたのかもしれない。これならかなりKitaraの代替会場として聞けると感じた。