令和3年(2021年)11月19日、札幌コンサートホールKitara大ホールで首記コンサートを聴きに行ってきた。
プログラムは以下の通り
・リスト:巡礼の年第2年「イタリア」より第7曲ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲
《休 憩》
・J・S・バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番
Kitaraの大ホールでヴァイオリンリサイタルを聴くのはこれがおそらく初めてだと思う。ヴァイオリンリサイタルの公演は何度も開催されているが、大ホールでのヴァイオリンは音が散漫になるように思い、気が進まず見送っていた。そのため今回は大ホールでヴァイオリンリサイタルを聴くまたとない機会となった。
神尾さんのヴァイオリンは札響との協演では何度か聴いている。今年の5月にもhitaruでグラズノフのヴァイオリン協奏曲を聴き、しっかりとした低弦の上に高弦の音を響かせる演奏を聴かせてくれた。
1曲目は「古い様式による組曲」。シュニトケは現代のロシアの作曲家でシュニトケ自身の映画音楽も使用されているらしい。親しみやすい曲を明快に演奏していた。
2曲目は「巡礼の年第2年-第7曲」。冒頭から叩きつける強大な音響が奈落の底の地獄を想起させる。感情的なものに流されないよう叙事的に淡々と演奏される様はダンテの神曲に相応しかった。
ピアノソロを大ホールで聴くことも初めてで、こんなに響くとは思っていなかった。ヴァイオリンもピアノも大ホールでかなりいい音で聴けることがわかった。
3曲目は「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」。有名なシャコンヌが最後に入っている。聴きどころはそのシャコンヌで低弦から高弦までならしきり、千変万化する主題を見事に奏でていた。
4曲目は「クロイツェルソナタ」。一言で言うなら「情熱がほとばしる演奏」だった。これでもかというぐらいに感情を露わにするような演奏だった。
アンコールはバッツィーニ:妖精の踊りとマスネ:タイスの瞑想曲。