Kitaraあらかると ニコラさんのオルガンコンサート

 令和4年(2022年)5月5日、Kitara大ホールでニコラさんのオルガンコンサートを聴いてきた。毎年、コールデンウィークに開催されているクラシック音楽初心者や未就学児童も対象にしたコンサートの一環として開催されるオルガンコンサートだった。

オルガン演奏はKitara専属オルガニストのニコラ・プロカッチーニ

プログラムは次の通り。

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

・P・モランディ:協奏曲第6番

・F・クープラン修道院のためのミサ曲より

         キリエ「プラン・ジュ」

         キリエ「グラントルグのトランペットと、ポジティフのモントル、ブルドンおよびナザールとのディアローグ」

         サンクトゥス「コルネのレシ」

         グロリア「ヴォワ・ユメーヌのディアローグ」

         教区のミサ曲より

          アニュス・デイ「グラン・ジュによるディアローグ」

・J・S・バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565

・ヴィエルヌ:幻想的小品集より即興曲

シューマン:ペダル・ピアノのための練習曲集

       第2番、第5番

・ヴィエルヌ:幻想的小品集よりウェストミンスターの鐘

 

 プログラムは、オルガンの様々な音色が楽しめるようなものだった。

 1曲目のオルガン交響曲は心地よい響きで2曲目はソプラノリコーダーのような響き、3曲目のクープランの5曲はグラン・トルグ、トランペット(シャマード)、ポジティフ、レシとあるようにオルガンのパイプ列を表す言葉が使われている。Kitaraのオルガンの一番上に冠のように置かれている小さいパイプ列がポジティフ、シャマードは前方に突き出しているパイプ列、レシはシャマードの奥にあり、トルグはポジティフとレシの間にある。それぞれのパイプの音色の違いがよくわかる曲だった。

 4曲目は有名なバッハのトッカータとフーガ。以前ならオルガンコンサートというと必ずといっていいほど演目に上がっていたが、最近はあまり聴かなくなっていた。久しぶりにどんな演奏だろうと思ったが、日頃、録音で聴き慣れたリヒターやヴァルヒャのとは違いテンポが速めで随分と崩した演奏に聞こえた。バッハというよりはヴィヴァルディ風か?

 5曲目のヴィエルヌの即興曲クラリネットの音色の作品だった。

 6曲目はシューマンのペダル・ピアノのための練習曲から第2番と第5番。ペダル・ピアノはシューマンの時代によく使われていたらしいが今はほとんど使われなくなっている。シューマンらしい憂愁と美しいメロディーが印象的だった。

 7曲目はヴィエルヌのウェストミンスターの鐘。小学校の始業と終業の時によく聞いたロンドン時計台のビッグベンの鐘の音をもとに書かれた曲でとても聴きやすかった。

 アンコールはモーツァルトのアンダンテK616から童謡「こいのぼり」につながるというおまけ付きだった。

 終演後はバックステージツアーに参加した。バイプオルガンの前を通って、オルガニストの専用通路から階段を降りて、ステージ裏の楽屋前を通ってステージを横切って出てきた。一番見たかったパイプオルガンの内部は見られなかった。