〈札幌コンサートホール開館25周年〉Kitaraのバースデイ

 令和4年(2022年)7月2日、Kitara大ホールでKitaraのバースデイを聴きに行ってきた。第1部はニコラさんのオルガンコンサート、第2部はシェイクスピアの「夏の夜の夢」を元にした人形劇だった。されるオルガンコンサートだった。

 オルガン、ポジティフ・オルガン、チェンバロ演奏はKitara専属オルガニストのニコラ・プロカッチーニ。第2部の映像・人形演出は小樽市出身の沢則行、語り手のパック役は磯貝圭子だった。

 プログラムは次の通り。

【第1部】

・J・S・バッハ:前奏曲とフーガ ト長調 BWV541

モーツァルト:フランスの歌「ああ、お母さん聞いて」による12の変奏曲ハ長調 K265

 (きらきら星変奏曲) 

・バード:ファンシー(ポジティフ・オルガン)

・ラモー:クラブサン曲集 第3組曲より(チェンバロ

 第6曲 ミューズたちの対話

 第8曲 一つ目の巨人

・プロカッチーニ:〈Kitara〉に基づく即興演奏

・ヴィエルヌ:幻想的小品集より ウェストミンスターの鐘

【第2部】

シェイクスピア原作/沢則行演出:「夏の夜の夢」

 

 座席はステージ後方と側面は人形劇の舞台設定の関係から空席で1400席ぐらいが発売されたらしいが、チケットは前売りで完売。人形劇があるので小さい子連れの親子の入場が多かったにもかかわらず演奏中はとても静かだった。

 前半の最初の2曲はKitaraのパイプオルガンによる演奏。バッハの壮大な曲とモーツァルトのきらきら星変奏曲の対比が面白かった。きらきら星変奏曲は子供向けだろうか。

 それからステージに降りてきて、学校の教室にあったオルガンと同じぐらいの大きさのポジティフ・オルガンによる演奏とチェンバロの演奏が続いた。ポジティフ・オルガンはよく鳴っていた。大ホールでのチェンバロソロは響かないことが多いが、Kitaraの大ホールではよく響いていた。

 それからパイプオルガンによる2曲。一度何となく聴いたことがあるような気がすると思ったら5月に聴いていた。ウェストミンスターの鐘は学校のチャイムに使われているのでこれも子供向けのプログラムだろうか。

 

 後半の人形劇はシェイクスピアの「夏の夜の夢」を簡略化した脚本になっていた。人形劇というよりは大きなお面をつけた演劇という感じだった。登場人物のライサンダーとかディミートリアスなどの名前は子供たちにはわかったのだろうかと少し気になったが、とくに騒ぐような子供もいなかったので人形劇はそれなりに楽しかったのだろう。