森の響きフレンド札響名曲コンサート 「ポンマーの贈り物 ドイツ3大B」

令和5年(2023年)8月26日、札幌コンサートホールKitaraで首記の札幌名曲コンサートを聴いてきた。指揮は前札響首席指揮者のマックス・ポンマーで2019年以来4年ぶりの共演となった。

 

プログラムは次のとおり。

・J・S・バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番

ベートーヴェン交響曲第8番

ブラームス交響曲第4番

 

 演奏の前にポンマーさんの通訳を勤める菅野美智子プレトークがあり、今回のプログラムは、音楽史の絵画の遠近法で使われる「消失点」がイメージできるようにしたという趣旨の話があった。

 1曲目は「ブランデンブルク協奏曲第3番」。ヴァイオリン3、ヴィオラ3、チェロ3、コントラバス1の編成。テンポはやや速めにも関わらず中身が詰まった響きが濃い演奏だった。

 2曲目は「交響曲第8番」。編成は10-8-6-4-3。この曲は3年前の2020年10月6日、「オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー」(ブログ参照)で秋山和慶の指揮で聴いた。その時はこの曲のイメージとは違う「雄壮で力強い」演奏だった。この時の編成は12型で決して大きくはないが外に拡がるスケールが大きい響きだった。今回は編成を小さくし弦楽器を核とした上で木管の旋律をはっきりと聴かせるような響きだった。

 3曲目は「交響曲第4番」。編成は14-12-10-8-7。縦の線を重視した厚い響きで力強さもあった。ここでも弦楽器を核とし金管が外に拡がるような響きを重視しているようで第2楽章冒頭のホルン、第4楽章のトロンボーンはとてもよかった。

 今回のプログラムの核は1曲目のバッハのブランデンブルク協奏曲で、ベートーヴェンにはバッハがあり、ブラームスにはバッハとベートーヴェンがあることを実感させてくれるプログラムであり、演奏でもあった。そのため派手さを押さえ求心的で中身が詰まった演奏会だったと感じた。