オーディオのこと 7(オーディオ機器の試聴)

 オーディオ機器を購入する場合、多くは試聴して決めると思う。試聴する機会としては、まず販売店の試聴会。これはメーカー(輸入品の場合は輸入代理店)が主催し、販売店を会場として大体20人前後の試聴会がある。以前はこんなに頻繁に試聴会はなかったけど、ここ10年ぐらい比較的頻繁に開催されるようになった。主にメーカーの新製品が中心で高級機が多い。その他、各地域で年1、2回程度開催される、名称は様々だが、オーディオショーがある。そこではその年の各メーカーの目玉商品が一堂に会するので、販売店の店頭にも並ばないような普段聴けない高級品も聴ける。そのため普段からオーディオに関心が高い人たちが集まる場ともなっている。

 普及機を買おうとしている人が、そういう値段が高い高級機ばかりの試聴会を聴くのは意味が無いかというと、そんなことはない。もしA社、B社、C社の中から10万円のスピーーカーを購入しようとしているのであれば、そのメーカーの100万、200万のスピーカーを聴くのは決して無駄なことではない。高級機の方がメーカーの個性というか開発する上での主張が明確に出てくるからだ。各メーカーの主張をよく理解した上で普及機を買うというのも一つの方法だと思う。それはアンプや他の機器でも同じだ。

 もう一つ試聴会のメリットとしてメーカーの方と直接話をすることができることだ。製品のことなら販売店よりはメーカーの方の方がやはり詳しい。その試聴会では聴けなくても同社の製品のことなら詳しく話が聞ける。

 そうは言ってもできれば購入する現物は聴きたい。販売店の店頭にあればそこで聴ける。店頭での試聴でもしスピーカーを試聴するなら自宅のシステムと近い形で試聴した方がいいと思う。例えばアンプは同じメーカーにするとか、自宅で使用しているアンプの増幅回路がA級ならA級にするということである。アンプやCDプレーヤーでも同じことがいえると思う。

 CDプレーヤーを購入するとき、50万円クラスの5機種を店頭で聴き比べたことがある。同じCDを3分ぐらいずつ聴き比べるのだが、かなり集中力がいる作業だった。ただその時は音の差があまりなくて試聴して決めることができなかった。しかし、100万円クラスになるとCDプレーヤーでも結構メーカー間の音の傾向には違いがある。

 しかし、最終的には自宅で試聴したい。販売店と信頼関係があれば、店頭品なら大方試聴させてくれると思う。また、そうでなくても販売店にどちらかを買うという前提で店頭品を自宅で試聴させて欲しいと言うと、大体試聴させてくれるだろう。 

 その他、希にだけど、メーカーが試聴品を送ってくれて自宅で試聴できることもある。メーカーが試聴させてくれるというので試聴したらよかったので買ったのがカートリッジだった。

 オーディオ機器は値段が高いのでカタログを見るだけで購入するということはあまりないと思う。予算に応じてインターネットなどで検索したりカタログを見たりして良さそうな製品を絞って、最後に試聴して選ぶというのが一般的だと思う。今は、試聴会も多く開催され、店頭にも話題の製品が並んでいることが多いので試聴する機会はたくさんあると思う。