シベリウス交響曲第2番 聴き比べ

シベリウス交響曲第2番の聴き比べをしようと手持ちのレコードを引っ張り出してきた。パウル・クレツキ指揮フィルハーモニア管弦楽団オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団マゼール指揮VPOがある。

クレツキ盤はステレオ初期盤で英コロンビアのブルーシルバーというラベルのヴィンテージ盤だが録音も演奏も余り良くない。

 マゼール盤は録音も小ぶりで、もっとシベリウスらしい空間の広がりが欲しい。

オーマンディはかつてシベリウス本人がラジオで聴いて高く評価したという話が残っているらしい。また来日したときに大阪の旧フェスティバルホールが箱なりしたと書かれた評論を読んだこともある。録音も良く演奏もまあまあかなと思って聴いたが、その後で尾高指揮札響のSACDを聴くと、やはりこちらの方が聴き応えがある。演奏の流れがスムーズだし、音の強弱が曲想に良く合っている。録音も低弦が良く響いてくるし高弦も柔らかい。管楽器のバランスもいい。

他にSACDでバルビローリ指揮ハレ管弦楽団があるが、このバルビローリ盤のSACD化はあまり上手くいっていないようで高域が硬くてきつい音になる。弦の柔らかさがないのだ。レコードで聴きたいけれどこの盤は人気が高く値段が高いのでなかなか手に入らない。

それでも生演奏で聴きたいのはどれかと訊かれたらこの中では尾高盤となる。尾高指揮札響のシベリウス交響曲全集は全部生演奏で聴いている。このシベリウス交響曲第2番の定期演奏会の座席は1階席の2列目だった。このCDのジャケットの裏に演奏会の様子の写真があるが、丁度、尾高さんの頭で隠れている場所になる。そのためこのCDと生演奏で聴いた印象は全く違う。なぜこんなに前の席で聴いていたかというとオーディオでは聴けない音を生演奏では聴きたかったからだった。オーディオと生演奏のことについてはまた改めて書いてみたい。