オーディオのこと 62(クラシックレコードの分類)

 レコードやCDなどの枚数が増えるとどのように分類して整理するか、についてはなかなか悩ましいものがある。クラシック音楽は通常、交響曲管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、器楽曲、声楽曲、オペラ、音楽史などのジャンルに分類されている。

 何千枚もあるレコードを普通はこのジャンルに分類してその中で作曲家別に分ける、というのが一番多いと思う。

 交響曲管弦楽曲、協奏曲はオーケストラが入っている。交響曲と協奏曲は曲名に交響曲、協奏曲と付いているのでわかりやすい。もしその作曲家が複数の曲を書いていれば交響曲第1番、交響曲第2番と称されることになる。協奏曲はソロ楽器とオーケストラの曲で、ソロ楽器によってピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲などと称される。管弦楽曲交響曲でも協奏曲でもないオーケストラ曲の総称で交響詩バレエ音楽、序曲などがある。交響曲や協奏曲と違って第○番ではなく標題が付いている。管弦楽曲管弦楽曲○○という呼び方はされず、作曲家名+ジャンル+標題となる。例えばR・シュトラウス交響詩ドン・ファン」、チャイコフスキーバレエ音楽白鳥の湖」と称される。

 室内楽は複数の小規模な編成の曲で器楽曲はソロ楽器の曲となる。○○ソナタという曲があってもピアノソナタはピアノだけなので器楽曲となるが、ヴァイオリンソナタはヴァイオリンにピアノの伴奏が付くので室内楽となる。器楽曲はピアノの他にはパイプオルガン、チェンパロとヴァイオリンとチェロのピアノ伴奏がない無伴奏の曲と大体決まってくる。

 室内楽はピアノ伴奏付きのヴァイオリンとチェロの他、ピアノ三重奏(ピアノ+ヴァイオリン+チェロ)、弦楽四重奏(ヴァイオリン2+ヴィオラ+チェロ)、弦楽五重奏(ヴァイオリン2+ヴィオラ2+チェロあるいはヴァイオリン2+ヴィオラ+チェロ2)、弦楽六重奏(ヴァイオリン2+ヴィオラ2+チェロ2)となる。七重奏、八重奏もあるが管楽器と弦楽器による構成の曲と弦楽器のみ構成による曲もある。

 その他に木管五重奏(フルート、オーボエクラリネットファゴット、ホルン)、セレナード(小夜曲)、ディベルティメント(嬉遊曲)といった曲もある。

 声楽曲は主に歌曲と合唱曲に分かれる。歌曲の中心となる曲はドイツリートでシューベルトシューマンブラームスが中心となる。ソロ歌手にピアノ伴奏が付く。合唱曲はソロ歌手と合唱とオーケストラによる曲で、受難曲、ミサ曲、オラトリオ、レクイエムなどがある。受難曲は新約聖書福音書(イエスの受難)を題材にしていてバッハのマタイ受難曲ヨハネ受難曲が有名である。ミサ曲はカトリック教会のミサ(聖体拝領)で歌われる曲で作曲家名が冠される。オラトリオは物語性のある合唱曲でヘンデルメサイヤハイドン天地創造、四季などがある。レクイエムは死者を追悼する曲で作曲家名を冠している。

 オペラもソロ歌手と合唱とオーケストラの曲だが、演劇のように筋書きのある劇で演出も加わる。オペラは通常、歌劇と訳されるがワーグナーの後期作品は楽劇と標記されることがある。オペラには必ず題名が付いていて作曲家名の次に歌劇(楽劇)の題名が付けられている。

 その他に音楽史という分野もあり、バロック以前のグレゴリオ聖歌とかルネッサンス期の音楽などがある。

 

 以上がクラシック音楽の分類になる。数百枚、数千枚のレコードやCDもおおよそこの分類にしている。例外として特定のシリーズ、特定の演奏家のレコード、CDを別にするということもある。これはそのシリーズ、その演奏家のレコード、CDの枚数が多いときは作曲家別に整理するよりはわかりやすく探しやすい。

 

 交響曲管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、器楽曲、声楽曲、オペラに分類したら、次に作曲家別に分ける。問題はその次で作曲家をどの順番で並べるかということになる。私は作曲家を生年の古い順に並べることにしている。しかし、「名曲名盤選」とか演奏家ディスコグラフィでは作曲家をアルファベット順に並べている。レコードを探す時は年代順に並べた方が曲を探すときにこの辺りだろうと検討を付けやすい。書籍であればアルファベットの文字を順に追っていけばいいのでそれほど困ることはないので使い分けてもそれほど不都合だと思ったことはない。

 分類していくとどの辺りのジャンルや作曲家の作品が多いか少ないかが目で見てわかってくるので整理は小まめにするようにして次にどの作曲家のどのジャンルのレコードを買うかという参考にしている。